コアラ建築設計室

けんちくちくちく

MARUHON FUKUOKA(マルホン福岡)

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名称︰MARUHON FUKUOKA
住所︰福岡県福岡市中央区浄水通5−1
設計︰香取武則/香取建築デザイン事務所
   https://www.katori-ada.com/index.html
用途︰ショールーム・オフィス
規模:木造2階建て

 

木質建材の輸入・企画・製造・販売を行っている株式会社マルホンのショールームです。木材サンプルや塗装の違いを見たり、触ったりするだけでなく、メンテナンスをどのように行うのかを実際に体験できます。
外装材にも木材を使っており、これからの経年変化が楽しみな建築作品です。

マルホン福岡公式HP︰https://www.mokuzai.com/Showroom/sr-fukuoka

 

 

意匠設計のポイント

ブランドイメージを表現した意匠設計

木質建材を扱う、株式会社マルホンの取扱商品の魅力が、入った瞬間に伝わる意匠でした。木材に包まれる感覚は圧巻で、構造躯体の現しがそのままサンプルの収納になっており、機能性もある意匠です。

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ショールーム

ショールームなので、大量のサンプルをどのようにして収納するか考えないといけません。この計画では、奥行きの深い柱に横架材をとりつけ、そのまま収納にしています。

柱のピッチはおそらく、収納物のスケールに合わせてあるのでしょう。とてもきれいに納まっています。

整形でかつシンプルな構造設計を行わないと、ここまで美しい構造現しは表現できないでしょう。

また木材に包まれる感覚の邪魔にならないよう階段は鉄骨の片持ち梁とし、木材で仕上げています。

 

造作家具

作業用のカウンターは2階へ向かう通路と一体的に計画しており、無駄のないシンプルな形状になっていました。

 

照明計画
照明器具は、スポットライトとライト照明で計画してあり、ライト照明は棟木に取り付けてあり、意匠の邪魔にならないように配慮してある。

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トップライト

 

360°全てがスギ材草木染め仕上げ

楕円形の外壁はスギで仕上げており、軒がでていないため雨や直射日光、また方位による経年変化に注目したい。

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外観

木はたくさんの性質をもつため、外部に使用することはやっかいに思えるが、調質性や加工性、コスト、流通面、意匠面で優れているので、是非使いたいものです。

有機的な性質がもたらす経年変化を楽しむこともできます。

外壁に使用する際は、極力雨掛かりを防ぐことで、木が腐る要因である水分、酸素、温度のうち水分をできるだけ離し、とにかく木を濡らさないこと、そして濡れても水切れがよく乾きやすい状態にすることが重要です。

樹種としては、ヒノキやヒバ、ベイスギ、ベイヒバなどが適しています。耐久性は劣るが意匠的に魅力的なスギやカラマツなども使用できます。

 

ショールームの出入口は楕円の形状を活かして、引き込まれるような意匠にしていました。

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エントランス部

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日は以上です。ちょっと寝てきます。