コアラ建築設計室

けんちくちくちく

木造3階建て共同住宅の緩和規定(木三共)について

 今回は木造3階建ての共同住宅設計に関する法令をまとめてみたいと思います。


 

木三共の前提

階数3階以上の共同住宅は耐火建築物にしなければならない。

【関係法令】別表第一(二)・法6、21、27、28、35-1、35-3、90条

 

木三共の緩和規定(告示255号)

①主要構造部を1時間準耐火構造とすること

②避難上有効なバルコニーを各住戸に設けること

③幅員3m以上の通路を建築物の周囲に設けること

ただし、下記に適合している場合は幅員を設けなくてもよい。

(1)住戸に避難上有効なバルコニーを設けること

(2)廊下、階段等が直接外気に開放されており、通路に面する住戸の扉に防火設備を設けること。

(3-1)上下階の開口部との間には延焼を防ぐ庇が設けられていること

(3-2)上下階の開口部との間が2m以上離隔されていること

 

④3階の住戸の開口部は防火設備であること(防火地域・準防火地域のみ)

ただし、下記に適合している場合は防火設備にしなくてもよい。(延焼の恐れのない範囲)

(1)開口部から90cmの部分に住戸以外の開口部がないもの。

(2)居室以外の開口部と50cm以上突出したひさし等で防炎上有効に遮られているもの。

 

 

避難上有効なバルコニーの規定

・バルコニーの床は1時間準耐火構造であること

・避難設備が設けられていること

・避難ハッチ等で地上に降りてから、道路に到達するまで通路(幅員は特定行政庁による。)

・避難バルコニーに出るための開口部を有効高さ1.8m以上、幅0.75m以上、開口部下端から床までの高さは0.15m以下


避難上有効なバルコニー設置の緩和規定

・廊下、階段が直接外気に開放されていること。

・各住戸の廊下、階段に面する窓・扉が防火設備であること。


廊下、階段が直接外気に開放されていることの規定

・階段の中間踊り場で2㎡以上の開口部が設けられていること

・廊下の手すり上部から天井までの間が1m以上開放されていること

 

1時間準耐火構造(準耐火建築物(イー1)

【関係法令】法2(1)7の2

(1-1)壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの(告示仕様)(告示第195号)

(1-2)国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(大臣認定仕様)

(2)延焼の恐れのある開口部を防火設備とすること(告示仕様)(大臣認定仕様)

 

準耐火性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもの(告示仕様)(告示第195号)

(1)間仕切り(耐力壁)

耐火構造

・特定準耐火構造

・防火被膜を設ける(下地木材)

・防火被膜を設ける(下地木材、鉄材)

・構造用集成材、構造用単板積層材又は直交集成板とする(別条件アリ)

(2)間仕切り(非耐力壁)

耐火構造

・特定準耐火構造

・防火被膜を設ける(下地木材)

・防火被膜を設ける(下地木材、鉄材)

・構造用集成材、構造用単板積層材又は直交集成板とする(別条件アリ)

(3)外壁

耐火構造

・特定準耐火構造

・屋外側防火被膜+屋内側防火被膜

(屋外側防火被膜)

金属板、軽量気泡コンクリートパネル、窯業系サイディング、モルタル、しっくい・硬質木片セメント板・鉄鋼モルタル・鉄鋼軽量モルタル

(屋内側防火被膜)

上記+(1)間仕切り(耐力壁)の防火被膜(下地木材)

・etc

(4)外壁(非耐力壁)

耐火構造

・特定準耐火構造

・etc

(5)柱

(6)床

(7)はり

(8)軒裏

上記は告示を見て確認する。